最新記事
2022/04/11 聴覚障がい学生支援のモニターを 「ロジャーフォーカスⅡ」で行う
2022/03/31 「ロジャータッチスクリーンマイク」はなぜ大学の支援現場で重宝されるのか
2022/03/11 大学ご担当者様向け 初めて聴覚障がい学生の支援を行う場合(相談受領から運用開始まで)
2022/03/07 大学聴覚障がい学生支援における「ノートテイク / PCテイク」と「補聴援助システム ロジャー」を支援室と利用学生、それぞれの視点で比べてみた
2022/02/24 【緊急検証】近距離用、個人用と謳われている「ロジャーオン」は、教育現場での効用はいかがなものか?
1.「合理的配慮」により、音環境の改善を考える皆さまのために。
2016年4月に施行された「障害者差別解消法」により、社会のさまざまな場所で「合理的配慮」が求められています。大学現場でも早いところでは1990年代から「障がい学生支援」が行われていましたが、2016年以降多くの大学で「障がい学生支援室」が設立され、障がいを持つ学生さんの支援が増えてきたのです。
高校年代までは、特別支援学校など「同じ立場の生徒さん」の中で学んできた学生さんが、大学進学に伴って一般学生と共に学ぶ機会が増えてきます。それまでより広い教室や講堂、それによって先生との物理的な距離も遠くなります。さらにグループミーティングや食堂など大勢の学生さんの声が反響する場所での会話も多くなります。大学では、補聴器 / 人工内耳装用者にとって「言葉の聞き取りが苦手な環境」が多くなるのです。
1.距離が遠い
話し手(音源)と聞き手が対面して距離が近ければ問題ありませんが、一般的には 2m を超えると、言葉の聞き取りが難しくなります。

2.騒音 / 反響音がある
補聴器 / 人工内耳のマイクロホンが本来聞こえなくてもよい周囲の騒音や反響音まで拾ってしまい言葉の聞き取りを妨げます。

3.集団での会話
話し手が多く、あらゆる方向から声が飛び交うグループでの会話は、補聴器 / 人工内耳装用者にとって、最も聞き取りが難しい環境のひとつです。

従来まで「大学における聴覚障がい学生支援」の主流は「手話通訳」や「ノートテイク」でした。ノートテイクは、その担当者(ノートテイカー)が聴覚障がい学生の隣に座り、2、3名でルーズリーフ等に要約文を手書きで記入していき、聴覚障がい学生はノートテイカーが書いたノートを横から見ることで情報を得ます。手書きではなくPCで入力する「PCノートテイク」も手法としては同様です。ノートテイカーはボランティアの学生で構成され、必要な技術は支援室の担当者や先輩方の指導により伝達されていき、学生さん同士のチームワークや結束が高まっていったのも事実です。しかし支援数の増加により、「ボランティア学生の募集や教育、シフト調整など支援室の担当者の業務が膨大になる」「聴覚障がい学生が高学年になると、低学年の学生のボランティアでは専門用語についていけない場面もある」などの事例も報告されるようにもなってきたのです。
2013年にリリースされた補聴援助システム「ロジャー」は、当初特別支援学校やろう学校への導入が多かったのですが、徐々に大学への導入事例が増えていきます。学生支援室の担当者の方からも「ロジャーのマイク(送信機)を、授業を行う先生方にどう使っていただくか」というお話を多く聞くようになっていきました。PEPNet-Japan(日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク)を主宰する筑波技術大学様、厚生労働省の事業でもあるPHED(障害と高等教育に関するプラットフォーム形成事業)主幹の東京大学様、同じくHEAP(高等教育アクセシビリティプラットフォーム)主幹の京都大学様のリーダーシップもあり、2019年時点では、実に120校以上もの大学でロジャーが導入されるまでになったのです。
昨今のコロナ禍においては「ノートテイク」が物理的に難しくなってきたという背景もあり、ますます「ロジャー」の導入を検討されている大学様も増えてきております。
【関連記事】
ロジャー導入大学一覧(国公立52校・私立72校 計124校)
大学聴覚障がい学生支援における「ノートテイク / PCテイク」と「補聴援助システム ロジャー」を支援室と利用学生、それぞれの視点で比べてみた
2020年から2021年間におけるコロナ禍では多くの大学でオンライン授業になり、ますます「デジタル機器による授業」が一般的となりました。その分「現場におけるロジャーの利用」は減りましたが、緊急事態宣言の解除による授業の再開により、再びロジャーの需要が高まってくると考えられます。2024年6月には「改正障害者差別解消法」の施行も予定され、より多くの現場で「合理的配慮」が求められることが予想されます。
各大学の障がい学生支援のご担当者様、学生生活支援のご担当者様におかれましては、改めて「聴覚障がい学生支援に最も有効なシステムであるロジャーの導入」に関するご検討をよろしくお願いしたいと存じます。
なお「ヒアリングエイド・ボルテージ・ドットコム」では、ロジャー導入、検討に関する各種ご相談を無料でお受けしております。
ご遠慮なくお問合せ下さい。
2.デジタルワイヤレス補聴援助システム「ロジャー」とは。
ロジャーは、話し手が使用する「送信機(ワイヤレスマイクロホン)」と、聞き手が使用する「受信機」、
教室や会議室などに置く「線音源スピーカー」で構成されるシステムです。ワイヤレスマイクで拾った音声をデジタル無線方式で送信するので、
補聴器や人工内耳だけでは言葉の聞き取りが難しい環境でも、
よりクリアな「聞こえ」が可能になるのです。



3.教室、体育館、屋外でも。学びの現場での導入シミュレーヨン。






4.送信機も受信機も。必要な機器をさまざまな組合せ方で。

(遠距離対応マイク)
教育現場におすすめのワイヤレスマイク。
タッチスクリーン式で操作性も抜群。
小型で持ちやすい、
ロジャー タッチスクリーンマイク用子機ハンドマイク。


(近距離対応マイク)
2022年1月に発売されたばかりの機種。
最新機能を搭載したワイヤレスマイク。
小型で持ちやすい、
ロジャー タッチスクリーンマイク用子機ハンドマイク。



オーディオシュー不要の
フォナック補聴器専用 デザイン一体型受信機。
アドバンスト・バイオニクス社 人工内耳プロセッサ
ナイーダCI サウンドプロセッサ専用 デザイン一体型受信機。


他メーカーの耳かけ型補聴器や人工内耳にも
使用できるユニバーサル(3ピン)タイプ。
コクレア社 人工内耳プロセッサ
Nucleus 7 サウンドプロセッサ専用 デザイン一体型受信機。


耳あな型やTコイル内臓の補聴器、
人工内耳に対応。
コクレア社 人工内耳プロセッサ
Nucleus 6/5 サウンドプロセッサ専用 デザイン一体型受信機。


補聴器・人工内耳不要の
レシーバ内臓受信機。充電式と電池式を用意。
メドエル社 人工内耳プロセッサ
SONNET/SONNET2/SONNET EAS
サウンドプロセッサ専用 デザイン一体型受信機。



フォナックDSFシステムは「ワイヤレスマイク」と「スピーカー」のシンプルなシステムです。
線音源スピーカーにより、反響音を抑え、話者の声を聞き取りやすくします。

■壁付け時

■スタンド利用時


部屋の出入口などに設置し、
受信機を自動的にその部屋のワイヤレスマイクに接続。
話者の使うマイクの音と同時に
音響機器からの音も流せる送信機。


最大4台の送信機を
同時に充電できるラック。
送信機と受信機の
接続距離を延長できる中継機。
コメントをお書きください