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【検証】近距離用、個人用と謳われている「ロジャーオン」は、教育現場での効用はいかがなものか?

発売1ヶ月で販売用実機が早くも品薄(カラーによっては欠品)、試聴用デモ機も1ヶ月待ちと、好スタートを切った「ロジャーオン」。

 

(参考記事)

「ロジャー オン登場 ~ペンとセレクトのいいとこどり!~」 

 

ところで、フォナックのロジャーの送信機(マイクロホン)には「教育現場向け 遠距離用」と「個人向け 近距離用」があり、ロジャーオンは、後者に分類されております。ではロジャーオンは教育現場では使えないのでしょうか。教育現場でのベストセラー機「ロジャータッチスクリーンマイク」と仕様、性能はどのように違うのでしょうか。

 

「ヒアリングエイド・ボルテージ・ドットコム」では【緊急検証レポート】をお送りします

 

まず、近距離対応マイクと遠距離対応マイクの代表機で仕様を比べてみましょう。

 

 

仕様比較

ロジャーオンの単体での使用距離は、ロジャー送信機では最長。ただし。。

 

この表で見いただければ分かる通り、「ロジャーオン」の使用可能距離は25m。長距離用に分類される「ロジャータッチスクリーンマイク」の20mを上回っております。これには次の2点の補足説明が必要となります。

 

(1)単体での使用可能距離の増大は、開発元の「ソノヴァ」社の技術革新によるものです。ロジャーペン、ロジャータッチスクリーンマイクのリリースから既に5~7年半が経っており、その間に主力製品の補聴器もプラットフォームの進化もあり、当然のことながらロジャー送信機の使用可能距離も伸びている訳です。

 

(2)ではなぜ「ロジャーオン」は近距離用と分類されているのでしょうか。それはロジャー遠距離マイクは、ネットワークを介して複数の機器と互換性がある点です。「ロジャータッチスクリーンマイク」は中継用のアクセサリー「ロジャーリピーター(別売)」を利用することによって、使用距離を40mずつ伸ばしたり、線音源スピーカー「ロジャーデジマスター 7000 / 9000」と接続する事も可能です。一方「ロジャーオン」は単体での使用が基本となります。ただし、やはり技術革新による「マイロジャーマイクアプリ(無償)」の併用により、使用距離の延長はできます。

 

少し複雑ですが、それを図示すると下のようになります。

 

重さ、充電 / 利用可能時間、操作性など、いろいろな視点での比較

 

重さに関しては「ロジャーオン」27g、「ロジャータッチスクリーンマイク」94gと、オンはタッチの約3分の1の軽さとなっております。ただ軽くて小さいが故に紛失、落下による故障には注意が必要となります。タッチの場合、液晶画面が大きいので「画面の割れ」といったリスクもあります。

 

利用時間に関しては、「ロジャーオン」3時間充電で約8時間利用可能とありますが、これはロジャーダイレクト対応補聴器での数値で、従来の外部受信機や人工内耳を利用の場合は6時間となります。一方「ロジャータッチスクリーンマイク」は、2時間充電で約10時間利用可能となります。

 

操作性は、利用者にもよりますので一概には言えませんが、教育現場にしろ家庭にしろ、送信機を使っていただくのは、話者(健聴者)であるという事をまずは認識していただく必要があります。学校であれば先生であったり、家庭であれば親御さんである訳です。現実的には、低学年の児童さんの場合は親御さんが学校の先生にお願いをしていただいたり、大学の障がい学生支援室のスタッフから先生にレクチャーをしていただいたり、といった場面があると思います。初めて使う大人の方が使いやすいという面では、タッチかとも思いますが、オンが決して難しいという訳ではなく、要は慣れの問題であると思います。

 

よって単純に「教育現場なら、遠距離用のタッチスクリーンマイクが適している」という訳ではなく、利用者、装用者、購入者が利用場面を想定した上で選んでいただく事が寛容かと思います。理想としては、学校では学校側にタッチを購入していただき、家庭ではオンを個人購入していただくという事になります。もちろん同じ受信機で、学校ではタッチ、家庭ではオンに繋いでいただく事も可能です。

寸法比較