【2022-23最新】補聴援助システム「ロジャー」を音声文字変換アプリ「UDトーク」「Google Live Transcribe」などの外部マイクとして使う

Google で「ロジャー_UDトーク」などで検索すると、いろいろな記事が出てきますが、その多くは2018~2019年前後のものです。
(追記:今は本記事が一番TOPに来ます。ありがとうございます笑)

 

(1)上記UDトーク連携記事で紹介されているロジャー送信機は、

    ロジャーペン(2014年リリース / 2021年販売終了)

    ロジャータッチスクリーンマイク(2016年リリース)

    ロジャーセレクト(2018年リリース)

   の3種類となります。

     参考:新しい生活に入られる準備に。 ロジャーと情報保障機器のコラボレーション:7つのパターン

         (ソノヴァ・ジャパン社きこえブログ 2018/01/05)       

 

(2)そのうち、UDトークアプリをインストールしているiPad / iPhone / PCとBluetooth で接続できるのは、ペンとセレクトのみです。ただペンは販売終了となっている為、現行機で Bluetooth 機能を持っているのはセレクトのみとなります。

 

(3)2022年リリースのロジャーオンとUDトーク接続の事例は、ネット上にはまだありません。ロジャーオンはBluetooth 機能を持っていないので、付属のケーブル接続となります。またはロジャーネックループをスマートフォン / PC に接続して、ネックループ経由で音声を送信する、という方法もあります。

 

(4)また2019年2月に、聴覚障がい者向けに Android 用のアプリとしてリリースされた「Google Live Transcribe」でも、外部マイクとして変換精度を高めることができることができます。

 

   ロジャーオン

    ①USB-C オーディオプラグ変換ケーブル(付属)にて iPhone / iPad / PCと接続し、音声を送信。ただしオンをUDトーク側に置くため、話者との距離が離れている場合は②の方法が望ましい。

    ②またはロジャーネックループをUSB-C ケーブル(付属)にて iPhone / iPad / PCと接続し、オン → ネックループ経由で音声を送信。よってオンを話者側に置ける。

    ③上記と同時に難聴者(補聴器 / 人工内耳 +ロジャー受信機)への音声送信も可能

 

   ロジャーセレクト

    ④Bluetooth にて iPhone / iPad / PCと接続し、音声を送信。セレクトを話者側に置ける。

    ⑤上記と同時に難聴者(補聴器 / 人工内耳 +ロジャー受信機)への音声送信も可能

 

ロジャーオン、ロジャーセレクト連携時のメリット、デメリット

  メリット デメリット
 ロジャーオン(有線) オンの集音モードの多様性が活かせる  「話者」と「確認者」が近くないと厳しい

 ロジャーオン+

 ロジャーネックループ(有線)

オンの集音モードの多様性が活かせる

「話者」と「確認者」が遠くても大丈夫

オンとネックループの購入が必要となり、

コストがアップする

 ロジャーセレクト 「話者」と「確認者」が遠くても大丈夫 集音モードがオンに比べ、劣る

  近い、遠いというのは感覚的な表現となりますが、以下がご参考となります。

   近い:同じテーブル内でのミーティングなど(約5m)

   遠い:セミナーの講師と、受講者席の前方 (約15m)

 

(5)UDトークは、かつてはロジャーとの接続を推奨していましたが、現在はアドバンスト・メディア社製の AmiVoice を推奨しています。アドバンスト・メディア社は UDトークに音声認識ソリューションを提供している会社です。

    参考:UDトーク推奨の音声認識専用マイク (UDトーク公式サイト)

 

(6)ロジャーの製造元フォナック社(正式名称はソノヴァ社)は世界シェアトップの補聴器メーカーです。ロジャーはフォナック社が開発した補聴援助システムで、他の補聴器メーカーも持っていない製品です。ロジャーは UDトークに音声を送信しながら、難聴者(補聴器 / 人工内耳+ロジャー受信機)に音声を送信できます。

 

アドバンスト・メディア社は音声認識ソリューションを開発している IT 会社で、コンタクトセンターや、さまざまな企業における音声認識ソリューションを提供している会社です。(東京証券取引所グロース市場上場)

 

(7)ロジャーと AmiVoice の比較記事は、ネット上では見つけられていません。弊社でも実際の検証は行っていませんが、それぞれの製品の特長を見ると、マイクの集音モードの多様性と精度(どのようなシチュエーションでもUDトークの認識率を高くできる)であればロジャーに一日の長があり、コストパフォーマンスなら AmiVoice が優れていると思われます。

 

(8)2022年7月にある企業様(聴覚障がい者を90名以上採用 / 全員にUDトークアカウントを支給)で、業務効率化のために、UDトークの外部マイクとして、AmiVoice、SONY製マイク、ロジャーなどを比較検証され、ロジャーセレクトが採用されました。 ご担当者様によると「距離対応、複数人での使用下におけるマイクの指向性、騒音抑制力でロジャーが圧勝でした」というコメントをいただきました。

 

 

(2022/05/22 執筆 2022/08/16 妥当性確認 2022/11/1 追加修正 2023/04/04 追記

 

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