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学校現場での補聴援助システム「ロジャー」と Wi-Fi の電波干渉について

 

ロジャーは干渉しないと、言われているが。。

 

ネット上には、よく「ロジャーは干渉しない」とありますが、それは旧来機のFM型補聴援助システムに比べて、同じネットワーク内で「ロジャー同士では干渉しない」という事です。

 

昨今、文部科学省の指導の下「学校ICT」への取組みも増え、児童や生徒一人一台の端末と、高速大容量の無線LAN ネットワークを整備する学校も増えています。「学校ICT」は家庭内や企業でのそれと違って、「多数の端末が同時に使われる」といった側面を持っており、構築側にとっても難度の高い現場であり、そういった環境に対応可能な機器の選定などが行われていると考えられます。このような次世代の教育現場で、ロジャーの利用により他のWi-Fi 接続が遮断されてしまうといった「学校内での ロジャーと Wi-Fi の電波干渉」という懸念事案が報告されています。

 

つまりロジャーは「ロジャー同士では干渉しないが、校内の無線LAN 環境(Wi-Fi を利用する機器群)に干渉を及ぼすことがある」という事です。ここではこの事案の解決法を探っていきます。

 

(ロジャーをご存じない教育現場関係者の方向け 参考記事)

 補聴援助システム「ロジャー」導入の歴史

 

 

なぜロジャーは、Wi-Fi に干渉するのか

 

Wi-Fi の場合、2.4GHz と 5GHz の二種類の周波数帯があります。2.4GHzと5GHzの電波には、それぞれのメリット・デメリットがあります。

 

2.5GHz と 5GHz のメリット・デメリット

周波数帯 メリット デメリット
 2.4GHz

・遠方まで電波が届く

・障害物があっても接続状態が

 安定するので、複数の教室を

 カバーできる

・5GHzと比べると最大通信

 速度が遅い

・ロジャー、Bluetooth対応

 機器との干渉が起きやすい

 5GHz

・最大通信速度が2.4GHzより速い

・ロジャーなどとの干渉が

 起こらない

・電波の届く距離が、比較的

 短い。

・壁などの障害物に弱い 

規格ごとに対応している周波数帯

規格 対応周波数帯
 IEEE802.11ax(Wi-Fi 6)  2.4GHz / 5GHz 
 IEEE802.11ac(Wi-Fi 5)  5GHz
 IEEE802.11n (Wi-Fi 4)  2.4GHz / 5GHz
IEEE802.11g  2.4GHz
IEEE802.11a  5GHz
IEEE802.11b  2.4GHz

 

ロジャーは2.4GHz 帯の電波を使っているため、ルーターの設定が2.4GHz の場合は干渉してしまいます。元々学校現場では電子レンジなど、家庭では干渉の原因とされる家電の利用はされないので、同じく干渉の原因とされるBluetooth の利用を抑えれば良し、とされていたと推測されます。

 

ロジャーと校内 Wi-Fi の干渉を防ぐには

 

それでは実際の解決法を探っていきましょう。

 

(1)Wi-Fi ルーターとロジャーの距離を見直す

電波干渉を起こすロジャーと、Wi-Fi ルーターとの距離をなるべく長く(できれば10m 以上)とるようにしてください。他の生徒さんの Wi-Fi 対応ノートPCとの距離ではなく、あくまでもルーターとの距離です。ロジャーは先生の手元、もしくは難聴学生の手元に置くとしますと、ルーターは教室の後方が望ましいと思われます。

 

(2)Wi-Fi ルーターの周波数帯を変える

最新のWi-Fi規格の「IEEE802.11ac」や「IEEE802.11ax」に対応しているWi-Fiルーターであれば、5GHz帯の電波を使用することができるため、ロジャーが使用する2.4GHzとの重なりを避けて電波干渉を防止することができます。使用しているWi-Fi ルーターの規格をチェックして、未対応の場合は新しい製品の導入も選択肢となります。ただし、設置環境が1台のルーターで複数教室をカバーしている場合は、5GHz にすると接続が厳しくなります。 

 

(3)干渉波自動回避機能のある Wi-Fi ルーターを使う

最新のWi-Fi ルーターには、電波干渉を自動的に回避する機能を備えた製品があります。ロジャーから発せられる干渉ノイズを自動的に検知することで回避し、最適な状況で無線通信を行ってくれます。干渉波自動回避機能を搭載した最新のWi-Fi ルーターの導入検討も重要となります。

 

この場合「健常生徒の(Wi-Fi 機器を繋げる)為に、障がい生徒に我慢(ロジャーを切って使用を控える)を強いること」は障害者差別解消法の合理的配慮に反する事にもなりますので、遠慮することなく申し出ることが重要です。

 

ただ、いずれにしても、学校の ICT 推進担当の職員の方や、実際に機器などを導入されているICT 業者様とのコミュニケーションが大事になっていきます。「ヒアリングエイド・ボルテージ・ドットコム」では先生や業者様とのオンラインミーティングをお受けすることも可能です。

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(この記事を執筆するのに参考にした記事)

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 電子レンジが WiFi と電波干渉する理由・対策方法を解説 (Broad WiMAX 通信)

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 失敗しない “学校Wi-Fi” の進め方、全館整備した同志社中学に聞く (インプレス クラウド Watch)

 タブレット授業を支える無線LAN 生徒の集中力を切らさない安定通信 (バッファロー公式サイト)

 学校の無線LAN導入・運用の手引き (一般社団法人 日本教育情報化振興会)

 授業で困らない!無線LANの選びかた (シスコのGIGA スクール向け無線LAN ガイド)