補聴援助システム「ロジャーマルチメディアハブ」活用法 単体からネットワーク、応用まで

先日、ある大学の支援室で「ロジャーマルチメディアハブ」のデモを行ってきました。この大学ではもう何年も前からロジャー各製品をお使いいただいており、ご担当者さまもロジャーにお詳しいのですが、それでもマルチメディアハブのことはあまりご存じなく、デモによってその便利さをご理解いただきました。

 

 

以前も書きましたが「ロジャーマルチメディアハブ」は便利で使い勝手の良さの割に認知度が低く(これは我々メーカー側の責任でもあります)、特に大学支援室現場ではまだまだ活用しきれておりません。昨年大量のロジャー導入がされた東京都立の各ろう学校では、各教室に1台のマルチメディアハブが配備されたほどです。

 

そこで改めて、マルチメディアハブの活用法をまとめてみました。

「ロジャーマルチメディアハブ」は、ロジャーの周辺機器の一種です。ただ通常のロジャーマイク(タッチスクリーンマイクなど)と同様に、音声をロジャー受信機に届けるという意味ではロジャー送信機の一種とも言えます。タッチスクリーンマイクなどが、話者の声を難聴者が装用するロジャー受信機に届けるのに対して、マルチメディアハブは、教室の音響機器、PCやタブレットの音声情報を受信機に届けることができます。例えば教育現場で、英会話のレッスンだったり、YouTubeの音声情報などを難聴者に直接届けることが可能です。

 

【基本の使い方】

1ロジャータッチスクリーンマイクと一緒に使う場合

もっとも一般的な使い方は、タッチスクリーンマイクを親機、マルチメディアハブを子機としてネットワークを組む方法です。タッチスクリーンマイクで話者の声を、マルチメディアハブで PCなどの音声を受信機に届けます。タッチ側でミキシング(両方の音声を同時に送る)、優先順位あり(タッチによる音声信号を優先して送る)などの設定変更が可能です。また同じくタッチスクリーンマイクとネットワークを組めるパスアラウンドマイクやデジマスターと同一ネットワーク内で使うことができます。ただし一つのネットワーク内で使うことができるマルチメディアハブは1台となります。

 

 

2)その他のロジャーマイクと一緒に使う場合

タッチスクリーンマイク以外のマイク(ペン、セレクト、テーブルマイク、オン)と一緒に使う場合は、ネットワークは組めませんが、同時利用は可能です。それらのマイクで話者の声を、マルチメディアハブで PCなどの音声を届けます。両方のマイクでそれぞれ受信機とのペアリングが必要です。話者の声とPCなどの音声は対等に届き、どちらかの音声を優先させることはできません。 

 

 

(3)マルチメディアハブ単体で機器の音声情報のみを届ける場合

付属のオーディオケーブルで、PCやタブレット、教室の音響機器の音声出力端子を接続します。音響機器の出力が、スピーカーなど他の機器と接続されている場合は、付属のオーディオ分配プラグを使用します。 

 

 

【応用の使い方】

4)メインマイクは使わずにマルチメディアハブ単体ですべての音声を届ける場合  

ロジャーのメインマイクを使わずに、(3)と同様、教室の音声機器のアンプにマルチメディアハブのみ直接繋ぎます。アンプを通る音声は、話者が使うワイヤレスマイク、各機器の音声情報などがすべて一括で、マルチメディアハブを通して難聴者に届きます。健聴学生に向けてのワイヤレスマイクと難聴学生に向けてのロジャーマイクを一緒に使って干渉などする時は、この方法が有効です。

 

ただしそれぞれの音声の音量や優先設定などは、アンプ上で行う必要があります。またアンプの音声出力のジャックと合うアタッチメントを用意する必要がありますので、そういった機器の準備も含めて、必ず事前の準備、試聴をお勧めします。

 

ロジャーマルチメディアハブ

 メーカー標準小売価格:90,090円(税込)

 

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(2023/03/06 執筆)

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