聴覚過敏の方に、補聴援助システム「ロジャー」は果たして効くのか

最近、聴覚過敏の学生さんへの対応を尋ねられたり、聴覚過敏の方からの相談を受けたりしたことがありました。

 

まず結論から先に言うと「補聴援助システム「ロジャー」による対応であれば「ロジャーフォーカスⅡ」の一択。ただし必ず効くというものではなく、試聴して効果がある場合もある」という事です。

 

まず補聴器専門店の認定補聴器技能者のアドバイスを伺いましょう

 

まず医師から聴覚過敏とちゃんと診断が出ているのかを伺います。聴覚過敏の場合、ご自身でそう思い込んでしまっている場合も多いですから。診断が出ている場合は医師から装用許可が出ているかの確認が必要となります。

 

診断が出ていない場合、UCLの測定を行い、可聴範囲がどの程度かを確認。また過敏症が音量として全般なのか? 周波数単位で特定周波数を感じているのか? できれば補充減少があるのか無いのか?を確認。できればMCLの測定も行います。それらを総合的に考えて必要な利得補正が可能なのかを検討するという流れになります。フォナックの補聴器の場合、オージオグラムダイレクトという機能で、UCLの測定をして、反映させます。また実際の聴力レベルがどのくらいなのか? 40db HL 程度の軽度で本当に聴覚過敏の場合は、利得補正よりSN比の改善の方が効果的な場合もあります。

 

【用語の説明】

UCLの測定 / MCLの測定:(UnConfortable Loudness test)/(Most Confortable Loudness test)

聴力測定の一種で、音を大きくして聞いていくと、大きすぎず、また、小さすぎないで快適に聞こえる音の大きさがあります。これを快適レベル(MCL)といいます。またさらに大きくしていくと、次第にうるさく感じるようになり、これ以上聞いていられない不快な音になって、痛みさえ感じるようになります。これを不快レベル(UCL)といいます。これらの音のレベルを調べる検査・測定です。

 

利得補正 / SN比の改善:補聴器の調整で、利得補正は、小さい音を聞き取ることができるように音を大きくすること、SN比の改善は、会話(Speach)と雑音(Noise)のバランスをとって聞こえの改善を図ることです。

 

聴覚過敏の方に対する「ロジャーフォーカスⅡ」のパフォーマンスは?

 

ロジャー受信機は、ロジャー送信機で拾った声が無線で直接届くものです。多くの受信機は使用者が装用する補聴器 / 人工内耳に合わせた機種となりますが、「ロジャーフォーカスⅡ」だけは、補聴器 / 人工内耳不要のレシーバ内臓の受信機となります。常に耳元で話者の声がしっかり聴こえるので、APD(聴覚情報処理障害)の方や、ASD(自閉スペクトラム症 / アスペルガー症候群)の方に効果があると言われております。また健聴者の支援室担当者の方がモニターに利用することもできます。

 

聴覚過敏の方の場合は、通常時は耳栓をした状態でスイッチを OFF にしておき、話者の声を聞きたい時は、音量を最小の状態でスイッチを ON にするという利用法が適しています。別売のリモコン「フォナック リモートコントロール(20,790円 / 税込)でさらに使いやすくなります。

 

ただし、聴覚過敏の方はASDと併発のケースもありますし、症状や困りごとは十人十色でさまざまです。ロジャーとの相性もさまざまですし、慣れるのには時間がかかる事もあるかもしれません。またイヤーマフを使用するだけと比べてコストもかかりますので、必ず、デモ機による試聴をお勧めします。

 

充電式の「ロジャーフォーカスⅡ」と空気電池式の「ロジャーフォーカスⅡ-312」があります。

 ロジャーフォーカスⅡ            87,780円 / 税込 / 1台

 充電器:チャージャー BTE RIC           12,606円 / 税込

 リモコン:フォナック リモートコントロール 20,790円 / 税込

 

 ロジャーフォーカスⅡ-312           64,680円 / 税込 / 1台